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ベトナムの独立80周年記念式典で実施された軍事パレード=2025年9月2日、ハノイ、大部俊哉撮影
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 ベトナムの首都ハノイ中心部のバーディン広場で2日、独立80周年の記念式典が開かれた。軍事パレードにはロシア、中国など4カ国の軍が参加。最高指導者のトー・ラム共産党書記長は共産党一党支配の正当性を誇示し、「独立や領土を侵害する、いかなる陰謀や行動にも断固として屈しない」と決意を述べた。

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 現地メディアによると、式典には、中国共産党序列3位の趙楽際(チャオローチー)・全国人民代表大会常務委員長やキューバのディアスカネル大統領ら、社会主義国の友好国の代表を招いた。軍関係者や政府関係者、学生ら約4万人が出席したという。

 会場となったバーディン広場は、80年前の1945年9月2日、建国の父ホー・チ・ミンが独立宣言を読み上げた場所とされる。19世紀後半から続いたフランスの植民地支配や第2次世界大戦中の日本による占領を経て、「ベトナム民主共和国」の独立を宣言した。

 ベトナム人民軍のパレードでは、戦車や自走砲が披露された。国営メディアによると、中ロのほか、ラオスとカンボジアの軍が行進に参加。トー・ラム氏は演説で、「国際法と国連憲章を尊重し、平和的手段で相違や紛争を解決する」と強調した。

 ベトナムにとって、ロシアはソ連時代からの伝統的な友好国。武器の調達で依存しており、安全保障面で最重要国の一つだ。中国とは中越戦争の経験や南シナ海での領有権争いがあり、警戒感は根強いものの、経済的な結びつきは強く、関係安定を図る狙いがある。

 ラオスとカンボジアはいずれも、東南アジア諸国連合(ASEAN)の中では中国への傾斜が目立つ国だ。

 一方で、ベトナム政府は「全方位外交」の方針をとっており、近年、日本やベトナム戦争を戦った米国との間で、安全保障面で連携を強めている。

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